本サイトは、科研基盤(A)「東アジアはなぜ少子化するのか―「家族主義」を問うリプロダクションの比較歴史社会学」(課題番号24H00156、2024~2027年度、研究代表者:日本大学文理学部・小浜正子)の公式ホームページです。

本プロジェクトは、世界で最も少子化が進んでいる、日本、中国、台湾、韓国、ベトナムなどの東アジア各地域の家族・ジェンダー構造を、リプロダクション(人および家族の再生産/生殖)の具体像を明らかにし、「家族主義」といわれるものの内実を検証しつつ、以下の点から比較歴史社会学的に明らかにしようとするものです。

本プロジェクトは、次のような実証研究を進め、それを基に理論構築を行います。
①各地域は国民国家形成の基盤として如何なる家族を形成しようとして、どんな家族計画等の人口政策を展開したのか。その際、女性と男性の生殖能力はどのように評価されたのか。
②男女のカップルによる自然な妊娠・出産以外のリプロダクションに関する捉え方と現状はどうか。すなわち、生殖補助技術の利用や養子などについて、各地域ではどんなシステムと現実があるのか。LGBTQやシングル等の人々が、それらを利用することは可能かどうか。
③以上の状況の基底にある、近世以降に形成された各地域の「家族主義」にはどんな特徴があり、それは現在のリプロダクションに如何に影響している/いないのか。家系や血統の観念、性別選好、不妊や婚外子への対応、養子の取り方などはどのようなものだったのか。

このプロジェクトは、科研基盤(B)「東アジア各国の「姓・生・性」の変容の比較史的研究-「東アジアの奇跡」の裏側で」(課題番号21H03731)の継続発展(最終年度前年度申請による)です。

《東亞為何會少子化—探討「家庭主義」的生育比較歷史社會學》
 本研究旨在從比較歷史學與社會學的觀點,釐清生育率為世界最低的東亞地區,如日本、中國、台灣、南韓與越南的家庭與性別結構,從以下幾個角度釐清生育的具體形象,並檢視所謂「家庭主義」的內在現實。 從社會學角度釐清以下幾點。
 (1)為了形成以家庭為基礎的民族國家,各地制定了什麼樣的家庭計劃及其他人口政策? 在此過程中,如何評估女性與男性的生殖能力?
  (2) 對於男女雙方自然懷孕與生育以外的生殖方式,有什麼看法與現況? 換句話說,每個地區在使用輔助生育技術、領養等方面有哪些制度和現實情況;LGBTQ、單身等人群是否有可能獲得這些服務;目前在使用輔助生育技術、領養等方面的情況如何?
 (3) 自近代早期以來,每個地區的「家族主義」有什麼特點,成為上述情況的基礎;這些特點如何影響/不影響目前的生殖?世系與血統的觀念、性別偏好、對不育與非婚生子女的反應,以及領養子女的方式為何?本研究將推進上述的實證研究,並在此基礎上發展理論。